[サイプラススペシャル]263 流通から製造までグローバルに展開 ステンレスを通して社会に貢献

長野県千曲市

日本ステンレス精工

千曲市にある日本ステンレス精工は、ステンレス鋼材の販売と製造を社業の両輪として取り組んでいる企業だ。およそ1000社におよぶ取引先のニーズに応えるために、国内外に展開するグループ企業のネットワークをフルに活用している。自社製品とグループ企業の製品を組み合わせるとともに、自社の販売網を活用して製品を集めて供給することで、他のステンレスを扱う企業との差別化を図っている。

取材後記

流通業からスタート

宮下社長

「自社のネットワークを活用して、お客様に最良のコストで最良の品質のものを提供したい」と語るのは、社長の宮下英雄さん。日本ステンレス精工は、1979年に宮下社長の父がステンレス材料の販売からスタートさせた。現在も販売部門の売り上げが大半を占めるものの、自社でステンレス製品を製造したり国内外のグループ企業が製造した製品を供給するなど、他のものづくり企業とは一線を画す存在だ。


リーマンショックを機に製造を強化

製造現場

本格的に製造業に参入したのは、宮下社長が就任した2009年以降。この年起きたリーマンショックで売り上げが打撃を受けたことがきっかけだった。販売だけではコスト競争に勝ち抜けないことを痛感した宮下社長は、販売に加えて製造を強化することで生き残ることを決断。そのために、製造部門を持つ企業に出資してグループとして傘下に加えた。


海外も含めたネットワークを構築

製品

傘下に加えたグループ企業が国内だけでなく海外にも製造部門を持っていたため、現在は日本・中国・ベトナムの3国に生産拠点を構えている。「どの国で何を作れば良いのか」ということを常に意識して、取引先である日本のものづくり企業のために役立つベストマッチングを追究している。製造は海外にも依存しているが、あくまでも取引先である日本のものづくり企業の支援が目的だ。


営業力で差別化

事務所風景

ステンレス鋼材は品質・コストとも国際市場で差がつかないため、他の企業との差別化が難しい。一般的なメーカーと違って販売部門を持っている日本ステンレス精工は、その営業力をフルに生かすことで競争に勝ち抜く努力をしている。宮下社長が「営業力が他社にない我が社の強み」と語る通り、グループのネットワークを活用して顧客が求める以上の提案をすることを常に社員にも求めている。


顧客ニーズにトータルに応える

流通部門で培った営業力を武器にするとともに、国内外の製造ネットワークでトータルサービスを追究する日本ステンレス精工。国内外を飛び回り会社を不在にすることが多い宮下社長だが、地元千曲市に本拠地を置くバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」に協賛するなど、地域への貢献活動も行っている。自らがものづくり企業であると同時に、日本のものづくり企業を応援する提案型企業でもあるのだ。

YES!

【取材日:2014年2月13日】

企業データ

日本ステンレス精工株式会社
長野県千曲市八幡1122-17 TEL:026-273-1313
http://www.ns-seiko.co.jp