スタートは「商社」
「当社は開発型企業と呼ばれていますが創業は商社なんです」と話すのは、創業者でもある会長の小林睦巳さん。商社としてエレクトロニクス関連の素材を販売していたが、創業後まもなく製造部門にも参入。現在も製造・開発・管理だけでなく、営業部門のスタッフも多く在籍している。「あるものは他社から買う」「ないものは自社で創る」というのがものづくりのスタンスだ。
基板の実装処理から製造をスタート
最初に取り組んだのが、サーフェストマウントと呼ばれる基板に電子部品を取り付けるハンダづけ実装。現在も製造部門の柱の一つだ。取引先の要望に応えるために、信頼性の高い多品種少量の部品を製造している。この実装部門による技術向上を基に、独自に考案したオリジナル製品を生み出していくようになる。

画像遠隔監視システム
実装部門は受託開発のため、取引先の要望によって生産が左右される。そこで小林会長が目指したのが「下請けからの脱却」だ。中小企業がオリジナル製品を開発することは容易ではないが、全社一丸となって取り組んだ結果生まれたのがこの遠隔操作による「画像モニタリングシステム」。大手外食チェーンにも採用されていて、店舗運営やスタッフ管理などに大きく役立っているという。
オリジナル開発の介護機器
そして次のステップとして開発したのが、この介護機器。らくらく移乗器「乗助さん」と姿勢補助手すり「楽助さん」は、介助する人の負担を減らすとともに、介護を受ける人が自力で動く手助けをするというものだ。構造は至ってシンプルなため、費用的にもかなり割安となっている。ただ使い勝手の良さを追求するため、打合せを重ねて改良する努力も怠らない。

「ニーズ」でなく「ウォンツ」に応える
取引先のニーズに応えるというのが多くのものづくり企業の姿勢だが、そこから更に一歩踏み込んだ「ウォンツ」に応えることがイデアシステムの目標だ。そのために営業現場がユーザーを良く知って何を欲しているかを見極めて、開発製造現場がそれを実現するというものづくりに日々取り組んでいる。今後は介護医療機器に絞っていく方針で、新たなステージに向けて開発を進めている。
