[サイプラススペシャル]349 世界品質の光学レンズを追求 治工具・検査機製造から光学設計まで

長野県飯田市

夏目光学

飯田市に本社を置く夏目光学は、国内屈指の光学レンズメーカー。主力製品の「エムエフレンズ」は先端産業を支える特殊な形状のレンズで、半導体や液晶の設備装置、通信機器、医療機器など幅広い分野で活躍している。「世界品質」を目標に掲げて、高精度・高付加価値の光学レンズの製造を追求している。

取材後記

多種多様な分野で活躍

img1.jpg

「多様な機能(Multi-Function)を考え、多様な形状(Multi-Form)を造り出し、多様な分野(Multi-Field)に貢献しよう。これらを総称してMf lens となりました。」と、自社製品命名の由来を語る社長の夏目佳春さん。現在エムエフレンズは、宇宙分野、半導体・液晶露光装置、光通信、医療、各種分析装置、と様々な分野で活躍している。

様々なレンズを生み出す

初期の代表作が、CDやLDプレーヤーの音楽や映像データを読み取る光ピックアップに採用されたかまぼこ型のレンズ。球型のレンズは光通信ケーブルなどに採用されていて、大容量通信の拡大に伴い中国など海外でのインフラ整備に欠かせない製品となっている。現在は取引の8割が日本国内だが、アジアを中心とする国々の成長を大きなビジネスチャンスと捉えている。

img2.jpg

治工具・検査機も自社で製造

夏目光学では高精度の特殊レンズを製造するために、レンズ形状に成型するうえで必要となる加工治具や製造設備の多くを創業以来自社で製作している。また近年は加工・製造だけでなく、顧客のニーズに応える製品を具体化する光学設計にも力を入れている。設計担当者は現在4名だが、今後はこの部門を増強していく方針だ。

img3.jpg

研究開発の拠点づくりも

研究開発を更に推し進めるために、10年前に飯田市郊外にテクノロジーセンターを新設。ナノ単位の精度に応える光学素子の研究開発や新製品の製造が進められている。年間を通して一定の温度湿度を保ち、外部からの振動を抑えた構造となっていて、加工機に取り付けられた光学素子には微細な凹凸を除去する高精度の加工がされている。

img4.jpg

各部門の独自性を育てて会社発展の力に

社長室の壁面には、全社員の顔写真入りの組織図が掲示されている。各部門が一つの会社として機能し、その集合体として夏目光学というものづくり企業があるというのが夏目社長の理想とする姿だ。社員一人一人が生きがいを持って仕事に取り組む環境を作ることで、高精度の特殊レンズが次々と飯田の地から生み出されている。

img5.jpg

【取材日:2015年9月28日】

企業データ

夏目光学株式会社
〒395-0808飯田市鼎上茶屋3461 TEL:0265-22-2435
http://www.mflens.co.jp