[サイプラススペシャル]530 茶所に負けない「おいしいお茶」づくり こだわりの有機・自社焙煎

長野県安曇野市

水宗園本舗

長野県でお茶!?
美味しいお茶を全国に届けたい

お茶と言えば、静岡や鹿児島、京都が有名ですが、信州長野県に美味しいお茶づくりで全国展開する「製茶メーカー」があります。
長野県のすごいモノづくりを紹介する「YES!ものづくり」。今回は、安曇野市の水宗園本舗をご紹介します。

長野だから多様で特徴あるお茶がつくれる

200種類!豊富な商品ラインナップ

有機栽培で育てた鹿児島県の知覧茶の荒茶を独自のブレンドで仕上げたこだわりの深蒸し煎茶に、全国各地の茶葉を九州の著名な茶師とコラボして仕上げた高い品質の深蒸したお茶、さらに、鹿児島県産有機栽培100%の茶葉を自社焙煎したほうじ茶など、いずれも、信州安曇野市の製茶メーカーが、全国各地の生産者と連携して開発した商品の数々です。

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「産地ではないので全国のお茶を自分たちで産地を選べるという強みがあり、九州、宮崎の茶師の茶を手掛けることでいろいろな幅広いお茶を提供することができるようになった」と、副社長の八木水恵さん。
産地から茶葉の原料を仕入れて商品に仕上げる工場を持つ製茶メーカーとして業界から注目されているのが、安曇野市に本社を置く水宗園本舗です。自社で焙煎することができるため、200種類あまりとバラエティー豊かな商品をつくっています。

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こだわりの自家焙煎で、こだわりの香・味・色

工場の自慢は、お茶をつくる機械。
茶所と肩を並べるマシンを導入し、入荷したばかりの原料となる茶葉をふるいにかけ切断します。
葉と茎が混在している茶葉を、色彩選別機で別々に分け、選別の終わった茶葉は、マイクロ波を使った乾燥機、遠赤外線焙煎機、そしてガスドラム焙煎機という3種類の焙煎機で、美味しいお茶に仕上げます。

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なぜ、焙煎機だけで3種類も使うのでしょうか?
常務取締役工場長の寺島実さん
「3つの焙煎機を使い、茶葉の量、温度、ドラムの回転などを微調整することで、香りが強く、味も濃く、急須で出した時のお茶の色をきれいになるよう仕上げています。」

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こだわりの有機栽培

競争力ある諸品をつくりたい

長野県はお茶の産地としては有名ではありません。もともと水宗園本舗も、仕入れた茶葉を袋詰めし、長野県内に出荷する卸売でした。
「特徴あるものを取り入れないと、いつか淘汰されてしまう」と、16年前の新工場建設を機に、全国展開する本格的な「製茶メーカー」に転換しました。

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八木誠社長は53歳。大学卒業後、製茶メーカーの営業マンとして東京などで修行したあと、家業を継ぎました。静岡や京都などの茶所と肩を並べるブランドに引き上げるため、従業員たちと日々研究を重ねています。
「東京での丁稚奉公から帰ってきた時、どうせやるなら、他と競争力が非常に高い商品をつくりたいと思って」、八木社長が目をつけたのは、「有機栽培」。当時おいしくないといわれていた有機栽培のお茶で、おいしいお茶ができれば差別化できると考えました。

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有機栽培の日本茶、世界へ

差別化のために始めたのが、有機栽培を柱にする鹿児島県南九州市知覧町の茶農家との連携です。
品質が安定していれば、市況に関係なく一定価格で茶葉を買い取ることで農家の信頼を勝ち取り、年々扱う量も増えてきました。
今では、知覧町の有機栽培茶のおよそ3分の1にあたる40トンを仕入れています。

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ブランド化された「知覧茶」を関東の生活協同組合に一括納入するなど、有機栽培茶の扱いは全国でもトップクラスに成長した水宗園本舗。
有機栽培の日本茶として、海外市場も視野に入れています。
「20年間かけて、鹿児島知覧の農家の方々と有機栽培茶葉をつくってきました。欧米諸国の厳しい基準を満たし、20年後には海外で広く販売したい。」
茶所ではないがゆえにしがらみがなく、有機栽培茶を柱に会社を成長させてきた八木社長。さらにブランド力を高め、有名産地をしのぐお茶作りに邁進します。

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【取材日:2019年04月18日】

企業データ

株式会社水宗園本舗
〒399-8204 長野県安曇野市豊科高家2287-30 TEL:0263-72-2730
http://www.suisouen.co.jp/