[サイプラススペシャル]241 プリント基板製造で日本のものづくりを支える 「製造は手段 目的はサービス」

長野県箕輪町

キョウデン

今年創業から30年を迎えたキョウデン。以前はコンピューター製造会社やスーパーマーケットの買収で話題を呼んだが、これらを売却し現在は主力のプリント基板製造を軸に事業を展開している。ものづくり企業でありながら目的はサービスという企業理念の通り、プリント基板を自社一貫生産することで短納期を実現し、顧客が満足する付加価値の高い製品づくりを追究している。新たな事業展開として、電気自動車製造もスタートさせた。

取材後記

創業以来プリント基板製造を手掛ける

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「顧客のものづくりをサポートする発想を、常に生み出していきたい。」と語るのは、製造現場の責任者である伊藤淳一氏。1983年に一般電化製品の販売からスタートしたキョウデンは、その後プリント基板の部品加工を足掛かりに、多品種少ロットの基板を自社生産することで事業を拡大。社名は創業者である橋本浩氏(現:最高顧問)が、「今日から電気屋さん」という理由から名付けたということだ。


設計から実装までを一貫して自社工場で

長野工場をはじめキョウデンのプリント基板製造の特徴は、試作・設計から製造、部品の実装をトータルで行っていること。これによって会社の目標である「超短納期」を実現している。製造ラインでは国内の有名メーカーのプリント基板が、次々と製造されている。電子機器に欠かせないプリント基板は、いわばメーカーの「川上」となる部品。まさに日本のお家芸というべき、電子機器の製造には欠かせない企業なのだ。

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長野を中心にグローバル展開

キョウデンはプリント基板の短納期化を進めるとともに、M&Aによって全国に拠点を増やしてきた。この箕輪町にある長野工場を中心に、国内は福島・茨城・神奈川・大阪、海外はタイに工場を持ち、プリント基板のグローバル供給体制を作り上げている。国内外の取引先に短納期で製品を納入できるほか、ノウハウを共有することでより良い製品づくりを可能としている。

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電気自動車製造にもチャレンジ

新たに始めたのが、電気自動車の開発と製造。既存のガソリン車をベースにした大手自動車メーカーのものとは異なり、小型かつ低価格であることが最大の売りだ。車検がないため維持費も安く、電源も家庭用コンセントから取り込める。普通免許で運転できるうえに100kgまでの荷物が搭載可能で、近距離のデリバリーに適しているという。

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全ては顧客へのサービス提供のために

キョウデンの企業理念で他のものづくり企業と大きく異なる点は、「製造業は手段であり目的はサービス業」という考え方。プリント基板の一貫生産体制をとっているのも、他社に真似の出来ないサービスを提供するためだ。取引先の満足する付加価値の高い製品づくりの追究が、日本のものづくりを支え続けている。

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【取材日:2013年09月04日】

企業データ

株式会社キョウデン
長野県上伊那郡箕輪町大字三日町482-1 TEL:0265-79-0012
http://www.kyoden.co.jp/