[サイプラススペシャル]463 ルビーの輝き「高濃度フルーツトマト」 AI(人工知能)を活用したスマート農業

長野県上田市

須藤物産

ふつうのトマトの2倍甘い!平均糖度10度
農業の未来をつくる会社

「とても甘いフルーツトマト、『農業の未来』をつくっています」
須藤物産が手掛けるのは、ルビーのように輝く「高濃度フルーツトマト」。
通常のトマトのおよそ2倍の平均糖度10度、首都圏の百貨店などで高い評価を得ています。 「YES!ものづくり」今回は、上田市武石で高濃度フルーツトマトを栽培する須藤物産をご紹介します。

AIが徹底管理する「甘い!」高級トマト

イスラエル製最新機器導入

須藤物産の特長は、AI(人工知能)を活用した「スマート農業」です。
上田市武石の山あい、数年前まで休耕地だったおよそ5万平方メートルの土地。日差しが差し込む4棟の大型ハウス内では、イスラエル製のAIが最適な温湿度や肥料、土壌の水分量を判断し、自動ロボットが肥料散布を行うという近未来の植物工場という様相の中でトマトがつくられています。

「日本で初めてAIを導入した人工知能付きの農場ということで、温度はもちろんですけども湿度管理、いろいろな面で管理されている」と、田中明CTO(最高技術責任者)が説明するように、葉っぱの成分などで細かく測定し、生育スピードを制御することで、甘味や成分などコントロールしています。

100グラム1,000円でも「需要に追い付かない」人気

工場のようなハウス育てられるトマトは、「ドルチェ」「ジュエルズ」「プレミアムルビー」と名付けられ、100g300~1,000円と一般的なプチトマトと比較すると3~5倍のお値段ですが、三越伊勢丹や大丸松坂屋など首都圏の百貨店のほか県内のスーパーでも人気。 現在、総面積4ヘクタールのハウスで1日およそ2000パックのトマトが出荷されていますが、「県内小売店の要望に応えられていない状況」と田中CTOが言うように、引く手数多の状態です。

女性が輝く「スマート農業」

従業員40人全員女性

AI活用に加え、須藤物産のもうひとつの特長は、女性が活躍する職場。およそ40人の従業員は、全員が女性です。 「働いて楽しいのは収穫する時。とてもきれいな色をしているので見ていても癒されますし、とてもいい香りがするのでやりがいがあります」と、従業員の澤田悠希さん。 温度管理され、明るく、静か。そのまま口にする生鮮食品を扱うからこそ、衛生管理も徹底されたキレイな職場。しかも植物特有の微かな香りが心地よい環境です。

単に収穫だけでなく、女性たちの仕事は多岐にわたります。 同じく従業員の松久美佐代さんが「糖度とかカリウム、ナトリウムなどを調べています。この数値をもとにして肥料の調節をしたりして美味しいトマトをつくっています」と説明するように、最先端技術などを学びながら、収穫だけでなく商品づくりや広報など活躍しています。

愛情をもって生命を育てる

代表取締役の田中直美さんに、なぜ従業員が女性だけなのか理由を伺いました。
「トマトを買ってくださるのは女性です。だからこそ女性の感性が必要となります。農業といってもほとんど力仕事はありません。成分分析など細やかな気配りが必要となります。愛情をもって生命を育てる未来の農業をつくっていきたいと思っています。」

もともと休耕地だったこの地に、ガラス張りの大型ハウスがつくられたのは2015年のこと。 栃木県大田原市でガラス温室による高糖度トマト栽培をしていた須藤物産は、東京電力福島第1原発事故の風評被害をきっかけに、生産拠点を上田市に移転しました。 経産省が先ほど認定した「地域未来牽引企業」にも選定された須藤物産は、田中CTOが「美味しいだけでなく機能性を重視したトマトや、高級トマトの流通網や生産ノウハウを活かして四季なりイチゴなどにも取り組んでいきたい」というように、先進的な取り組みで未来の農業をつくっています。

【取材日:2018年01月17日】

企業データ

株式会社 須藤物産 〒386-0506 長野県上田市武石下本入757 TEL:0268-71-5977
http://www.sudobussan.co.jp/