[サイプラススペシャル]235 「杜仲茶」新商品を全国に発信! 山紫水明の地・信州伊那谷が「発祥」

サンメクス

テレビがきっかけに大ブーム「杜仲茶」
実は、信州伊那谷が一大産地だった!?

 テレビ番組での紹介をきっかけに大ブームを巻き起こした「杜仲茶(とちゅうちゃ)」。 杜仲茶は全国的に知られていても、この杜仲茶葉の一大産地が長野県であることは、意外と知られていない。信州伊那谷は国内有数の杜仲茶葉産地であり、もともと漢方だった杜仲を「お茶」として日本ではじめて商品化したのも伊那谷の企業だ。

 今回の取材先は、まさにその会社。杜仲茶関連商品を販売する箕輪町のものづくり企業サンメクスが、杜仲茶の新商品を開発した。体の代謝を高めるなど健康に良いと言われる杜仲茶。「ふたたび全国へ発信したい」という思いの込められた新商品とは、いったいどんなものなのか?

杜仲茶の新商品「青汁」を全国に

女性に飲んでもらいたい!フレッシュな青汁

 「新開発したのはコレ!杜仲の青汁です」
 サンメクス小林秀行部長が手にするのは、新商品「杜仲の青汁」のペットボトル。ユニークなのは、自社開発したボトルだ。葉を蒸して砕いた粉1.5gがふた部分に入っており、キャップをひねると粉が落ち、水と混ざる。
 青汁と聞けばあの独特の味を思い出してしまうが、実際に飲んでみて驚いた。苦みや青臭さはなく、スッと飲める。葉の香りが鼻にぬけ、意外なほどに美味しい。
 「青汁にして飲むことで、緑茶のようにフレッシュな味がたのしめ、葉に含まれるミネラルや食物繊維を効率よく摂取できる」と、小林部長。340mgのペットボトルのラベルには商品名に並び「毎日飲みたい」の文字がある。「オフィスで働く女性に飲んでもらいたい」と、ラベルやネーミングも工夫した。

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栽培農家の後押し!伊那谷ブランドに

 サンメクスの林恒明社長は、青汁について「信州発祥の杜仲茶、再び全国に評価を問いたいという気持ちで開発した」という。
 林社長によると、15年ほど前には伊那谷に300人ほどいた杜仲の生産者は現在40人ほど。高齢化も進み、数年後には栽培をやめる農家も出てくると懸念される。
 青汁を通じて、杜仲を「伊那谷ブランド」として再び広めていきたい...。

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 サンメクスは、地元の箕輪町商工会と連携で杜仲の苗木を育て、農家へも販売している。昨年度はおよそ400本を全国に出荷したが、伊那谷ではほとんど売れなかった。「伊那谷は杜仲の栽培の最適の場所、しかも杜仲の木は栽培しやすい。定年後に畑仕事をする人たちなど、もっと栽培農家の後押しをしていきたい」林社長が杜仲茶の全国発信にこだわる理由の一つが、地元農業の振興にあった。

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杜仲茶の歴史を育む、元祖「くみあい杜仲茶」

地元産「杜仲」へのこだわり

 1990年代「ダイエットに効果あり」のテレビ番組をきっかけに、「杜仲茶」ブームが巻き起こった。信州伊那谷は、杜仲茶の一大生産地。日本で初めて商品化されたのも現在サンメクスが扱う「くみあい杜仲茶」だった。かつての杜仲茶ブームは信州が支えていた、といっても過言ではない。
 しかし2000年前後を境にブームは去ってしまう。その一つの要因として林社長は、粗悪な輸入杜仲茶葉を挙げる。「国内でも杜仲栽培農家は増えたが、それでも供給が間に合わない状態になった。国産杜仲葉の不足により海外から大量の途中葉が市場に流入し、中には粗悪商品もあった。そのイメージダウンで信頼を失った面もある」
 だからこそ「くみあい杜仲茶」のサンメクスがこだわるのは、国産、地元産だ。

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杜仲の魅力を多くの人に伝えたい

 「伊那谷は杜仲茶の発祥。発祥地で杜仲茶が脈々と後世に繋がってくれることが一番」杜仲茶の魅力を語りだすと止まらない林社長は、もともと長野県諏訪地域でコンデンサー製造の会社を経営していたが、体調を崩した時に出会った杜仲の魅力にひきこまれ、そのまま杜仲茶葉関連の会社を引き受けることになったという。
 もう一度ブームが来るといいですね、という質問に「ブームになることまでは望んでいないが、地元の産業としてブランドとして、農業の発展のためにも全国へ発信できれば」と、林社長は笑顔を見せた。

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【取材日:2013年07月30日】

企業データ

株式会社 サンメクス
長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪3270-2 TEL:0265-70-7815
http://www.tochu.jp/