長野県駒ケ根市
駒ヶ根電化
金属が産業用部品として使用される際に、不可欠なのが「めっき処理加工」。駒ヶ根市にある駒ヶ根電化は、創業以来今日に至るまで金属めっき加工のみを社業としてきた。自動車部品用の高耐食性合金めっきを中心に、様々な金属めっき加工をおこなっている。24時間操業の導入で設備投資の抑制と短納期を実現したほか、生産ラインを地下に埋設するなど環境対策にも積極的だ。
「当社は金属めっき以外のことには全くの素人。この分野だけに特化して、徹底的にやっていきたい。」と語るのは、社長の山下善廣氏(72歳)。駒ヶ根電化は戦後間もない昭和21年の創業以降、めっき加工一筋に歩んできた企業だ。産業界の発展や進化に合わせて、めっき処理の技術向上を進めてきた。高機能で耐食性に優れた、数ミクロン単位のめっき加工技術を有している。
駒ヶ根電化がめっき処理をしている部品は、自動車向けのものが多い。特に底部に設置されている部品は融雪時の塩害に耐える必要があり、北米で使用されている岩塩などの塩分が強い物質にも対応が求められている。現在は亜鉛とニッケルの合金めっきが主流となっていて、めっきした後の二次加工にもはがれにくく作ることが要求されているという。
金属めっき処理の生産ラインを作るためには、通常の工場に比べてかなり大きな初期投資とスペースがかかる。そこで駒ヶ根電化が導入したのが、3交替制による24時間操業。生産ラインを休ませることなくフルで稼働させることで短納期を実現するとともに、設備投資を3分の1に抑えることにも成功した。
様々な化学物質を使う金属めっき処理には、環境への対策が求められている。駒ヶ根電化ではISO/TS16949という、自動車産業における環境対策の国際規格も取得している。この一環として生産ラインの地下化を進めていて、将来は全ての工場を地下化する予定だ。障害者雇用も積極的で全社員の約1割を雇用しているほか、一般社員の働きやすい環境づくりにも余念がない。
メーカーの海外シフトに伴い、めっき加工の国内操業社も減少傾向にある。国内で生き残るために駒ヶ根電化が重視しているのが、取引先企業との信頼関係。現在2社の特定企業から委託を受けて、専用ラインを操業していることもその信頼の強さを裏付けている。取引先から求められる高いレベルの部品を短期で納めることで、価格競争力のある生産システムを築いている。
株式会社駒ヶ根電化
長野県駒ヶ根市飯坂2丁目5番10号 TEL:0265-82-5161
http://www.komaganedenka.co.jp/