[サイプラススペシャル]247 ノウハウを詰め込んだ自社ブランド製品を発売 創業以来エレキギターを製造

長野県茅野市

ダイナ楽器

ダイナ楽器は昭和47年の創業以来、エレキギター製造を主軸に歩んできた会社だ。今まではOEM供給製品のみだったが、今年初めて自社ブランドを市場に送り出した。規格モデルの「MOTIVE(モーティブ)」とセミオーダーモデルの「JA-STER(ジャスター)」の二機種は、長年の経験と製造ノウハウが詰め込まれた自慢の製品だ。

取材後記

国内有数のエレキギターメーカー

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製造現場の責任者である工場長の中村隆俊さんも、ギター作り一筋に歩んできた一人だ。「楽器づくりは音楽づくりのベースとなるもの。音楽好きの方に、長く使っていただけるエレキギターを作りたい。」と、ギターづくりへの熱い想いを隠さない。ダイナ楽器がある諏訪地方をはじめ長野県中部はギターづくりが盛んな地域で、他にはない豊富な技術とノウハウの蓄積を持っている。


受注から完成までおよそ3ケ月

ギターのボディー部分となるのは、「アルダー」「アッシュ」「バスウッド」などの木材。木はそれぞれ育った環境が違うため、均等な部材となるまでに入念に乾燥と加工を繰り返す。木型を削り出すのは機械だが、細かい部分仕上げは全て職人技によるもの。ネックと呼ばれる弦を張る部分と組み合わせて、受注から完成までおよそ3ケ月の期間をかけて、一本一本エレキギターが作られていく。

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工業製品と芸術製品の中間

中村工場長が「ギターは工業製品と芸術作品の中間」と語るように、ひとつひとつ手作業で同じクオリティーに仕上げることは易しいようで実は難しい。そこに生かされるのが、今日に至るまでおよそ150万本のエレキギターを製造してきた会社が持つ長年の歴史と経験だ。平均年齢は33歳と若いが、製造現場はエレキギターが好きで集まった社員のやる気で常に満ち溢れている。

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初の自社ブランドを製造販売

創業以来一貫してOEM製品のみを製造してきたダイナ楽器が、今年初めて自社ブランド製品を発売した。製造を担当する大島さんが持っているのは、規格モデルの「MOTIVE」。製品化の際に重視したのは「弾きやすさ」。左手に持つ「ネック」と呼ばれる握りの部分の形状に、最もこだわったという。長年のエレキギター作りの粋を集めて、満を持して送り出した製品だ。

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全国からギター好きが集う「工房」

現在エレキギターを大量生産している会社は、ダイナ楽器も含めて国内には数社しかない。茅野市にある本社には、北は北海道から南は九州まで全国からエレキギターを作りたい一心で若者が入社してくる。この若者たちが日々先輩から熟練の技を受け継ぐことで、ノウハウと経験が脈々と受け継がれている。その集大成ともいうべき信州発の自社ブランド製品が、世界中の音楽シーンで活躍することを期待したい。

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【取材日:2013年10月28日】

企業データ

株式会社ダイナ楽器
長野県茅野市玉川3602-1 TEL:0266-79-4210
http://dynamusic.co.jp/