長野県上田市
信州ハム
上田市にある信州ハムは昭和16年に創業。戦後まもなくからハム・ウインナー・ベーコンなどの食肉加工をおこなってきた。本場ドイツの製法を採り入れた本格派の「軽井沢」シリーズや、発色剤や着色料・保存料・リン酸塩を使用していない健康志向の「グリーンマーク」シリーズなどのブランドで知られている。「安全・安心・健康な商品のサービス」を提供することをモットーとしていて、顧客満足度の向上を追究し続けている。
緑の大木をモチーフにした、このグリーンマーク。上田市にある信州ハムが製造する、発色剤・着色料・保存料・リン酸塩を使用していない健康志向のハム・ウインナー・ベーコンのブランドだ。1975年に製造を開始して、今年で40周年を迎えたロングラン商品。食の安心・安全が厳しく問われる中で、消費者の支持を得続けている。
このグリーンマークに営業・製造双方の現場で長年携わってきたのが、現社長の中村幸男さん。発売当初は着色がないなどの指摘を受けたほか、保存料を使用しないため賞味期限が短いなどの理由で、なかなか受け入れてもらえなかったという。しかし営業現場の流通店舗に対する販路拡大策と、製造現場が賞味期限を延ばすなどの努力を重ねた結果、徐々に市場に定着していった。業務用では学校給食などにも多く採用されている。
グリーンマークと並ぶ主力ブランドの「軽井沢」シリーズは、他にないこだわりの製品だ。社員をドイツに派遣してマイスターの資格を取得させ、その管理のもと本場さながらの製造方法で作られる。液に漬けて熟成させる期間も、ハムで7日間以上・ベーコンで5日間以上と通常よりもかなり長い。これらの製法を活かして、独自に開発した「つるし燻りベーコン」などのヒット商品も生み出している。
信州ハムでは製造だけではなく、一方で自社製品をいかに美味しく食べてもらうかという努力をしている。ワインソムリエを招いてワインと一緒に自社製品を楽しむ食事会を開いているほか、県内のきのこメーカーとコラボレーションしたレシピを無料で提供するなど、様々な取り組みを行っている。
「グリーンマーク」シリーズや「軽井沢」シリーズは市場には定着してきているものの、他社の商品と比べると価格面ではまだ割高なのが実状だ。「消費者により受け入れられるために少しでもコストを下げていきたい」という中村社長。安心・安全と本格的な加工の両面を追究するとともに、消費者目線での努力も惜しまない。
信州ハム株式会社
長野県上田市下塩尻950 TEL:0268-26-8686
http://www.shinshuham.co.jp/