趣味が徐々に本業に
クエストコーポレーションは、神戸博之社長が34歳で創業。当初はサラリーマン時代の経験を生かして自動機械や検査装置など工場で使用される機械を作っていたが、以前から神戸社長が興味のあったラジコンの航空模型製造に徐々に軸足を移していった。現在はラジコンヘリコプターなどの開発製造が、その大半を占めている。
いま話題のマルチコプターも
現在最も力を入れているのが、「ドローン」と呼ばれるマルチヘリコプター。複数のプロペラを回すことで、従来のラジコンヘリコプターには不可能だった条件での飛行も可能となった。フライトコントローラーと呼ばれる心臓部以外は、ボディも部品も全て自社のオリジナル製品だ。本体は勿論、下部に取り付ける撮影の制御装置も、自社で開発している。
開発から製造まで一貫して
クエストコーポレーションの特徴は、開発から部品製造・設計・組立・販売・アフターサービスまで、全て一貫してやっていること。そこが他のマルチコプターメーカーにない強みだと神戸社長は胸を張る。10㎏の重量のものを運べる農薬散布用の大型のものから、手のひらサイズの小型のものまで、そのラインナップは幅広い。一般用は勿論、フライトコンテストに使用する競技用の機体も製造している。
警備など各方面で活躍
クエストコーポレーションのマルチコプターは、様々な場面で活躍している。長野県警に導入されたマルチコプターは、長野オリンピックマラソンの警備に使用されたほか、御嶽山など災害現場の調査にも出動している。このほか工事現場の進捗状況を上空から確認する用途にも使用されている。
安全面に最大限の注力を
便利な反面、使用方法を誤ると危険な事故を引き起こす危険性もあるマルチコプター。「しっかりとした知識と技術を身につけたうえで、安全に運用することが大切。資格制度などを設けることも必要。」というのが、神戸社長の考えだ。将来は無医村への薬品搬送や災害時の支援物資搬送など、医療や救命などの分野での活用も期待されているマルチコプター。活用の用途拡大と同時に、事故なく安全に運用することも重視している。