[サイプラススペシャル]354 自社ブランドも有するエクステリア事業部門 「オーニング」という新ジャンルを開拓

長野県駒ケ根市

タカノ エクステリア事業部

宮田村に本社を置くタカノといえば、まず思い浮かぶのがコクヨブランドの事務用椅子だ。ただ1982年からスタートしたエクステリア事業においても、存在感を放っている。駒ヶ根市にあるエクステリア工場では、OEM供給の製品以外にも多用途オーニング製品やアウトドア用ハウスなどの自社ブランド製品を生産している。工場に隣接する展示場は、そば畑を併設するなど自然と調和する場となっている。



過去の取材内容はこちら
http://saiplus.jp/special/2008/10/07.php

取材後記

OEM製品から自社ブランドまで

お話を伺ったのは、今年までエクステリア事業部門を担当していた鷹野力専務。椅子を製造する際パイプなどの金属加工で技術を磨いてきた中で、東洋エクステリア(現:リクシル)から商品開発とOEM製造の依頼を受けてエクステリア事業部門を立ち上げた。製造や商品の保管に必要な広いスペースを確保する目的で、1999年に現在の駒ヶ根工場に移転した。

鷹野専務 工場内

「オーニング」という概念を国内に持ち込む

ヨーロッパでは以前から活用されていた、日よけなどを目的とした「オーニング」製品。この製品を国内でいち早く導入したのが、タカノだった。当初は輸入品もあったが、現在ではほとんどが自社ブランドだ。場所によっては基礎工事が不要で置くだけで設置が可能なため、高速道路のSA・PAなどの公共施設や、レストランやカフェなどに導入されている。更に今年「移動式 オーニング」を市場に投入した。今までの「固定設置」の概念を180°転換した商品だ。ターゲットは、規制緩和による「歩道・路上SHOP」の客席造り、レジャー施設・各種イベント会場での空間造りである。

リパーロ(置き基礎) 移動式カシオペア

移動可能な屋外ハウス

もう一つの自社ブランド製品が、「りらっくハウス」と名付けられたこの多目的スペース。自社工場で組み立てたものを現地に運んで設置するだけという手軽さが受けて、企業の喫煙スペースや自宅の離れなど、多種多様な用途に活用されている。フォークリフトでも運搬が可能で、設置後も簡単に動かすことが出来る。

りらっくハウス ハウス室内

公園のような展示場

駒ヶ根工場に隣接する展示場は、公園のような敷地に自社製品が置かれている。赤いそばの花「高嶺ルビー」が畑で咲き誇ることから「ルビーの里」と名付けられた。定期的にライトアップや地元の方を招待するイベントなども行われている。週末には県内外から家族連れが数多く訪れ、自然の中でタカノのエクステリア製品に触れる空間となっている。

ルビーの里 赤そば

「屋内」と「屋外」を結ぶ空間に

タカノのエクステリア製品は屋内と屋外を結びつけ、居心地の良い空間を作り出すことに大きく貢献している。現在東京都心にある新橋と虎ノ門を結ぶ通りをパリのシャンゼリゼ通りのように整備する計画が進行していて、ここにもタカノのオーニング製品が使われている。今までの生活になかった新たな空間を演出する製品が、これからもこの工場で生み出されていくはずだ。

YES!

【取材日:2015年12月3日】

企業データ

タカノ株式会社 エクステリア工場
〒399-4117駒ヶ根市赤穂14-353 TEL.0265-81-1575
https://www.takano-net.co.jp/exterior/