[サイプラススペシャル]223 高度な金属鋳造技術で存在感を放つ 鋳造部品のバリ取り機を自社で開発

コヤマ

コヤマのコア技術は、アルミや鉄などの金属部品を精密に鋳造すること。自動車部品などは勿論、鋳物の中を空洞にする「中子(なかご)」は高い成型技術を誇る。鋳造の際に出る「バリ」と呼ばれる不要な部分を機械で削り取る“バリンダー”を自社開発して、海外でも特許を取得し販路を広げている。

取材後記

鋳物の中を空洞にする高度な技術

「中に空洞を作る鋳造加工が出来るのは、当社も含めて国内では数社のみです。」と語るのは、社長の小山隆宏氏(59歳)。この技術は「中子(なかご)」と呼ばれる複雑な技法を使用した砂型成型技術で、高機能部品を製造するために欠かせない技術だ。大量生産が容易な鋳造部品と異なり、海外の製造技術の及ばない分野だ。

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アルミ鋳造専用の新工場を稼働

コヤマでは昨年、須坂市にアルミ鋳造専用の工場を立ち上げた。自動車のミッションCVT部品などを製造していて、溶解炉で700度以上に熱せられたアルミニウムを流し込んで成型している。近年自動車の軽量化に伴いアルミ部品の占める割合も増えていて、建設機械部品や油圧機器部品に並ぶ主力製品となっている。

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自社開発の「バリンダー」

金属鋳造の際に出る「バリ」と呼ばれる余分な部分は、従来は人手によって削り取る手間のかかる作業だった。コヤマでは、これを機械によって削り取る「バリンダー」と呼ばれる製品を開発した。本社のある川中島工場(長野市)で製造され、自社工場でも数多く稼働している。国内は勿論世界8ヶ国でも特許を取得していて、海外で「コヤマ」の知名度を高めるオリジナル製品となった。

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グローバルな展開を

昭和20年の創業以来、長野の地で鋳物一筋に歩んできたコヤマ。小山社長は「技術力では他社よりも常に先を行きたい」と意欲を見せる。海外では容易に出来ない鋳造技術と、自社で開発したオリジナル製品「バリンダー」で、グローバル市場にも挑戦するものづくり企業だ。

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【取材日:2013年4月15日】

企業データ

株式会社 コヤマ
長野市川中島町原1111 TEL:026-292-2700
http://www.koyama-nagano.co.jp/