[サイプラススペシャル]294 社員からの提案を制度化して業務改善も 大型輸送機器の金属部品を製造

長野県長野市

山岸製作所

山岸製作所は昭和34年の創業。主力製品はバスやトラックなどの大型輸送機器のエンジンや足回りなどに使われる大型金属部品だ。「特に目立った特徴がない」と社長は謙遜するが、平成20年に厚生労働大臣賞を受賞するなど高い評価を受けている。社員からの提案を制度化して、業務改善に活かしているなどの取り組みもおこなっている。

取材後期

大型部品製造を

「当社にしかない機械や技術は残念ながらありません。ただ取引先の要望に応えられるように取り組んでいるだけです。」と話す社長の山岸章さん。そんな控えめな言葉とは裏腹に、工場内では様々なラインで多種多様の部品が製造されていた。1m四方におよぶ大型の部品が多く、真剣な表情でものづくりに取り組む社員の姿が印象的だ。

厚生労働大臣賞を受賞

主力製品はバスやトラックなどの大型車の部品製造で、20トンを超えるトラックなどに使われるディーゼルエンジン部品もある。このほか産業用エンジンや建設機械など、エンジン部品の加工が最も得意な分野だ。安全面と衛生面には特にこだわっていて、過去には厚生労働大臣賞の優良賞や奨励賞も受賞している。

切削工具を自社で製造

金属部品の加工に使われる切削工具。山岸製作所では、これらの工具のほとんどを自社で製作している。熟練工が加工場で、ひとつひとつ手作業で丁寧に作り上げていく。このようなベテラン技能者を定年以降も希望があれば雇用していて、その技術が製品の随所に活かされている。多品種少ロットに対応するために工具の種類も多岐に渡っていて、周辺の企業からの依頼で工具を製作することも多いという。

社内表彰制度で業務改善を

山岸製作所の業務改善に大きな役割を果たしたのが、社員からの提案制度だ。10年以上前から始めていて、年間で約300件の提案があるという。どんな些細なことでも提案するように呼びかけていて、優れた提案は朝礼の際に表彰している。このような日常の取り組みが、取引先の信頼を勝ち得ているとも言える。

取引先からの評価を更に高める

「品質管理」「コスト低減」「納期厳守」。当たり前の企業努力ではあるが、これらに対して常に実直に取り組むことは簡単なようで実は難しい。そういう取り組みを常に全社員が意識してものづくりを続けてきたことが、今日の山岸製作所を築いてきた。現在は自動車関連部品の比率が高いが、今後はより幅広い分野に活躍の場の広げていきたいと山岸社長は考えている。

【取材日:2014年10月02日】

企業データ

株式会社 山岸製作所
長野県長野市桐原2-6-21 TEL:026-241-3115
http://www.yamagishi-s.co.jp