[サイプラススペシャル]334 子供向けの玩具を段ボールで製造 取引先のニーズに合わせて段ボールを加工

長野県長野市

若穂紙器

昭和39年の創業以来、半世紀以上に渡って段ボール加工品を作り続けてきた若穂紙器。箱は勿論梱包資材や緩衝材など、その用途は年々領域を広げている。数年前から自社オリジナルの段ボール製の子供向け玩具を企画製造しているほか、現在も段ボールを素材にした様々な製品開発に積極的だ。

取材後記

段ボール加工を手掛ける

神戸博之社長 若穂紙器は創業以来段ボールやレジロールなどの紙器を扱ってきていて、現在は段ボールの加工品製造が中心だ。取引先である地元企業や農家のニーズに応えて、小ロットの製品も扱ってきた。三代目となる星沢裕厚さんはサラリーマン生活を経て家業を継ぎ、3年前社長に就任した。前職では金属部品の精密加工を手掛けていたため、当初は加工の違いに非常に戸惑ったという。

箱から梱包資材・緩衝材まで

段ボールというと箱というイメージが強いが、若穂紙器はそれ以外にも梱包資材や緩衝材なども扱っている。果物や野菜などを詰める際の梱包材などを、取引先の要望で独自に加工することもあるという。緩衝材についても様々な形状にカットしたり折り曲げたりすることで、オリジナリティの高い製品を作り上げている。

製造現場・積み上げられた箱

新たに企画した子供向け玩具

星沢社長は就任以降、自ら企画したオリジナル製品開発に意欲的だ。その代表例が、段ボールで出来たこの子供向け玩具。実際に子供が出入りすることが出来るおうちをはじめ、テーブルや積み木などのラインナップを揃えている。自分が作りたいものを企画して製品化することに、非常に喜びを感じているという。

wおうち・積み木

大型プリンターも導入

このほかの取り組みとしては、新たに導入した大型プリンターの活用。これによってイベント等で使用する大型展示物を段ボールで制作することが可能になった。軽量で持ち運びに便利なほか、簡単に組み立てられ使用後にリサイクル出来ることもあり、徐々にニーズも拡大しているという。

大型プリンター・展示パネル

段ボールの可能性を広げる

これらを発展させて、今後は災害時に使用する防壁を段ボールで制作する取り組みも始めている。「軽く」「強く」「柔軟」なうえ、低コストでリサイクルに適しているなど段ボールのメリットは多い。これらの特徴を活かしつつ、様々な用途に可能性を拡げていくために今後も開発などの挑戦を続けていくという。

YES!

【取材日:2015年7月17日】

企業データ

若穂紙器(有)
〒381-0102長野市若穂保科2883-1 TEL. 026-282-3077
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